イントロダクション

Ay(アイ)はスペイン語の感嘆詞です。
フラメンコの唄い手は、心の底から湧き上る悲しみや苦悩を、
深い溜め息と共に「Ay」と唄い上げます。

今回からタイトルを改めて「Ay曽根崎心中」。
もっと深く、 もっと真摯にこの作品と
向き合いたいと思った結果の改題です。

スタッフ・キャストを一新し、主役もダブルキャストに致しました。
また新たな旅の始まり。
今、そんなときめきの中におります。

さらなる高みを目差し、全身全霊でもって最高のパフォーマンスを
お届けできるよう、精進して参りたいと存じます。

阿木燿子

「Ay(アイ) 曽根崎心中」とは

阿木燿子作詞・宇崎竜童作曲による楽曲が全編に流れ、物語は歌と踊りで展開される

 日本を代表する劇作家、近松門左衛門の代表作「曽根崎心中」は、文楽や歌舞伎はもちろんのこと、映画、演劇などでも繰り返し上演されてきました。これをフラメンコのリズムに乗せて歌い、踊る舞踊劇として作られたのが「Ay 曽根崎心中」です。

 主役のお初・徳兵衛を踊る鍵田真由美、佐藤浩希は、フラメンコダンサーですが、ここでの踊りは、従来のフラメンコ舞踊のイメージを一新するもの。フラメンコ舞踊のテクニックを用いて、日本人の土着的な立ち振る舞いを舞踊化したり、通常の フラメンコでは用いない極めて身体性の高い舞踊表現が織り込まれていたり、また日本舞踊や歌舞伎といった日本の伝統芸能を連想させる動きなど、全く新しい舞踊表現になっています。

 音楽は、フラメンコには欠かせないギターと和楽器(篠笛・和太鼓など)とのコラボレーション。これにピアノ、ベース、パーカッションが加わります。フラメンコのリズムをベースに、和と洋の楽器がダイナミックな音楽世界を作り出します。

 さらに、豪華な舞台芸術、和と洋を一つに織り込んだ独特の衣装、ドラマに深い陰影を与える照明など、総合芸術としての エンターテイメントを実現しています。

 心中という情念の世界に、フラメンコはよく似合います。近松とフラメンコとの出会いから、これまでにない全く新しいパフォーマンスが生まれたのです。

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